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その人が何処から来たかなど、どうでもいいではないか。 どんな地位にあるか、どんな功績があったのか、どんな血筋を引いているのか、など全くどうでもいいではないか。 ただ、その人の行いを見よ。 今ここに於いて、何をするのかを見よ。 行いが正しく、羞恥があり、身と心を慎んでいるのであれば、その人は生まれがどうあれ、今から高貴な人ではないか。

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2016/01/04 (Mon)
初の医療現場での体験。


< チョウジャリ滞在記 その四 >

今回はチョウジャリ村で体験した、人生初体験の幾つかを書きます。
(*長いですが、貴重な体験だったので是非 読んでください!)


チョウジャリ病院はキリスト教徒による宗教的使命感に基づき、困難な状況下にある人々への支援のひとつとして、20年以上前にヨーロッパ人によって建てられた病院です。

今では日本の楢戸医師が運営する北海道にあるNGO「どさんこ海外保健協力会」が中心となってこの病院を支援しています。

NGOとは非政府組織の民間団体で、非政府、非営利の立場で地球規模の課題(開発、環境、人権、平和など)を解決する為に活動しています。

支援する為の収入は賛同してくれる人からの会費、寄付、セミナーや公演等です。

このチョウジャリ病院は現在ネパール人医師のカリブ氏、スウマン氏が中心となって患者を見ていますが、楢戸医師や今回お世話になった山本医師、そしてポカラでパラグライダーをし相談をされた森医師、それにヨーロッパからの医師も含めて定期的に滞在し患者を診ています。
そして、彼等は同じ時期に滞在しないように、順番にローテーションで訪れているようです。

医師はそれぞれにスペシャルなものが違い、今回お世話になった山本医師は産婦人科。パラグライダーを相談された森医師は外科医。楢戸医師は家庭医です。
しかし、このような病院では全てをやらないといけないので、専門外の手術も手掛けます。
ある意味 何か特別なことをするのではなく、平均的に出来ることをする。これは離島などの地域医療にも似ています。


毎朝の病院内の患者巡回に立会い、症状や状況の説明を受けながら一緒に周りました。

患者さんは40~50人いて、一様 重傷者の治療室もありました。もちろん、レントゲン室や手術室、分娩室、薬局もあり、最近 ポカラから歯科医が来てチョウジャリ初の歯医者も併設されました。(今までは医師が歯の手当てもしていました)

患者の多くは小さな子供達で、一番多かったのは手の骨折。これは走り回って倒れた時になるそうです。

次に多かったのは出産で毎日 何人かの赤ちゃんがここで生まれます。しかし、24時間で退院しなくてはいけません。

そして冬だということもあり、焚き火中に女性の服に火が燃え移り、重度のやけどで運ばれてくる患者さんが毎日いました。(女性はサリーの様な裾の長い服を着ているので危険です)



初の医療現場で、ネパールの貧しい田舎にある病院で経験した事を書きます。

素人なので特にですが、以前 森医師が手術を手掛けた少女の足には鉄の串状のものが何本も足を貫通して固定されていて、足の甲から串刺しにされた足を見たのは初めてであり、それを覆うカバーみたいなものがないので、その光景は普通は見られない衝撃なものでした。

ある日 山本医師から「エコーで調べた結果、お腹の中の赤ちゃんの頭がない妊婦さんがいるが、自然分娩で生んで諦めるしかない....」「頭のない赤ちゃんはお腹の中では生きられても、外に出てきてからは日本でも生きられない」と言われました。

その翌朝に生まれましたが、その亡くなった赤ちゃんを見せてもらいました。

顔はありましたが、首から後頭部に掛けて欠損していました。年間に何人もの生まれた赤ちゃんが病気で亡くなりますが、その遺体は近くのリベ川の近くに穴を掘り埋め、その上に分かるように石を載せるそうです。

雨季には川が広がり、その遺体は流されていくそうです。

このようなリモートエリアでは、遺体を政府に報告する事はないそうです。

以前は家庭分娩が普通で、それによって多くの赤ちゃんが亡くなる事もありましたが、今では病院での出産が村でも主流で、それによって生存率は格段に上がったそうです。
しかし、病院までの道中で生まれてしまうケースもあり、そこで亡くなってしまう事もあるそうです。


そして、とっても貴重な体験を最終日にすることが出来ました!

日本では勿論のこと、ネパールでも経験できることではないのですが、カリブ医師に「患者さんの手術を近くで見てみたいか?」と言われ、手術室に入り、目の前で手術の一部始終を見ることが出来ました。

しかし、見ているのかで気絶しそうになってしまい、一度 退席し10分ほど横になりました.....

気分も戻り、どうしようか?悩んだのですが、こんな貴重な経験は出来ないのでどうしても!
 と思い、再度 手術室に入り、約1時間半の手術を見届けました。

人の皮膚や肉や脂肪や内臓がどうなっているのか?を初めて見ました。

医師でない限り、親族でも絶対に経験できない事を経験できました。

私達の支援とは間接的なことが多いのですが、医師という活動は直接的に人々を助ける、生死を見て生きているような人達です。

何故にクリスチャンの彼等がここに来て、このような活動をしているのか?が少し分かりました。


医療について正直 考えた事がこれまでありませんでしたが、この経験で如何に医療が大切で必要な分野なのか!が分かりました。

自分にでも出来る医療の在り方。例えば衛生医療とかを伝えていくことは出来ます。

ボランティアと医療の在り方。そこに気分転換や楽しみの一つとして、支援タンデムフライトを行う。

次回からの訪問でやりたい事が見えて来ました。



国境無き医師団でも活躍された山本医師と、以前にここチョウジャリ病院に研修生として訪れ、小児科医の経験を積んで戻って来たカリブ医師。

山本医師は勿論ですが、このカリブ医師の人格は素晴らしい!と感じました。

若干31歳ですが、学ぶところの多い方です。


毎朝のミーティングでは、賛美歌の後に患者の数、病状、今日の手術などの1日のスケジュールが伝えられます。

最後はクリスチャンなのでお祈りを捧げ、神のご加護を受けます。

キリスト教についても、一度 学ぶ必要がありそうです。

私は仏教道者ですが、キリスト教やイスラム教なども尊敬し敬うことが大切だと感じています。

世界3大宗教は長年に渡って何億人もの人々の教えとして成り立ってきたものなので、必ずやそこには真理があります。

そこに大きな違いはないと感じます。


左からカリブ医師、ラビンドラ歯科医、スマン医師。

皆 志を持った若者達です。


村ではこれを救急車と呼んでいます。

担架に乗せられて山を何日も歩いて、チョウジャリ病院にやって来る人。
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プロフィール
HN:
kazu
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1971/09/08
職業:
パラグライダー
趣味:
たそがれ、物想い、静寂、心穏やか、不安、楽しむ
自己紹介:
Kazu
Japan spirits and pride
Professional tandem / Adventure pilot

世界最高峰のヒマラヤ、神の国ネパールで生きていく為に始めた空飛ぶ道具パラグライダーでコマーシャルタンデムをやっています。夢は神の山マチャプチュレへの冒険フライトに挑戦すること。
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