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その人が何処から来たかなど、どうでもいいではないか。 どんな地位にあるか、どんな功績があったのか、どんな血筋を引いているのか、など全くどうでもいいではないか。 ただ、その人の行いを見よ。 今ここに於いて、何をするのかを見よ。 行いが正しく、羞恥があり、身と心を慎んでいるのであれば、その人は生まれがどうあれ、今から高貴な人ではないか。

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2014/02/19 (Wed)
飛ばない経験が必要!

素晴らしい朝を迎えましたが、オフィスへ行くとお客さんは2人だけ…

朝ご飯をゆっくり取って、しばらく様子を見る事にしました。


朝ご飯を食べていると、ネパールの楽器サランギーを弾いているおじさんが隣に…

写真を撮って、少し聞いて、100ルピー(100円)を渡しました。

たまに見かけるおじさんです。


ツーリストは少ないし、自分の順番は最後6番目だったので、今日はお客さんを待つのを止めて、自分の番が来ても他に譲る事にして、以前から気になっていた場合へ向かいました。

(結果 今日のお客さんは4人だけでした)


空気は先日の雨で澄んでいて、その雨で山は何処も雪化粧。
しかも全く雲のできない快晴。

道中は何処も絶景でした!


ポカラの街もくっきりと見えました。


ダウラギリもはっきり見えました。しかもダムサイドからは見えないダウラギリⅡ、ダウラギリⅢも連なって左側に見えました。


歩く事 3時間で目的地のマティカハンに到着。

ダムサイドからも見えるこの建物… きっと展望台だと思い、この周りの何処からか飛べるのでは? とずっと思っていて、初めてやって来ました。


しかしこの白い建物が展望台ではなく、ホテルだった事が誤算でした…

今は鍵がかかったままになっているこのホテル。何の為に建てたのでしょうか?

景色は最高ですが、ツーリストがやって来そうもない場合で、車では来れないし、周りにはこのホテル以外 何もない…

地元の人達がお金を払ってまで、ホテルに泊まる必要もない。

不思議な場所にホテルが一軒…


何が誤算って、ホテルだからパワーライン(電線)が引いてあり、飛びたい方向に飛んで行けない…

ホテルの裏側からテイクオフは出来ますが、このパワーラインを越えるにはトップアウトしなければならず、その為の風が必要でした。

何度もイメージし、行ける!と判断してグライダーを広げ、トップアウトできる風を待ちましたが…


既に午後3時。風がどんどん弱くなるのを感じ、太陽も既に後ろだったので、飛ばない!と判断しました。


飛ばないで帰る事は物凄くいい経験で、「飛ばない」という事を判断できる技術の重要性を一番感じている。

行けるか行けないか?判断が曖昧ななか、その50/50の状況で飛ぶ事を止められないのはそれを判断できる技術がないから。

その技術は経験と共に時間をかけて磨いていくものであり、初めての場所で初めての状況で、今までの経験と今日の状況では難しい… と考え、飛ばない!と判断した。


今までポカラ近郊で歩いて登った中で、行も帰りも全て歩いて事はない。

目的地で飛べない事はあっても、別の場所を見つけては飛んだ。

しかし今日は歩いて帰ろう!と、この時は決めていました。


しかし帰りながらも意識はテイクオフ出来る所を探してしまい、何回か立ち止まっては想像し諦め… を繰り返しながら30分ほど歩きました。

そして山道のカープに差し掛かったその場所に死角を見つけた。

前が開け、そこに沿ってもの凄くいい風が入っていた…

しかも適度な傾斜があり、グライダーの場所まで風が入る!

問題は地べたの石ころがラインに引っかかる事と、グライダーを半分しか広げられない事だが、この風ならば…

気持ちが入ってくる。そして想像する。

行ける!


今まで山道からテイクオフしたのは今日を入れて3度目です。

しかしアンナプルナ一周の時、山道からのテイクオフに失敗して、畔でお腹を打ち付けながら、3m下の田んぼに落ちた経験もあります。

あの時はレスキューを入れたフロント コンテナーがお腹を守ってくれて、まさかレスキューがこんな形で守ってくれるなんて思いもしませんでした。


結局 今日も飛べましたが、あの時あの場所に素晴らしい風が入っていなかったら、間違いなく全て歩きの一日になっていました。

またそれも必要でした。

飛ぶ事が全てではない世界です。

その判断を誤る=自然への敬意を忘れる事は、即ち命を失う事に繋がります。

パラグライダーの魅力はソアリングだけではありません!

天と地を結ぶテイクオフとランディングに全神経を集中させる… あの緊張感と安堵は言葉では表せません。

そして歩く! 車では行けない世界へ。


このグライダーIbex は自由を獲得できる翼です。

決してエリアを飛ぶグライダーではなく、歩いてテイクオフする場所を自分で見つけ、色々な所から飛び立ち、そして色々な所へ降り立つ…

今日 山道からテイクオフ出来たのも、このグライダーだから!

この環境にいる以上、無限の可能性をこのグライダーに感じています。


ダムサイドからクリスティまでは歩いていつも通り2時間弱。そしてクリスティからマティカハンまでは1時間強でした。

家を出てから戻るまで6時間半で、歩いたのが5時間、考え想像したのが1時間5分、休憩が15分、飛んだのは10分。

まさにこれが自分のスタイル!


マティカハンはリベンジします。

必ず飛べる場所なので、また行きます。そして更に奥に飛べるかもしれない場所があったので、いつかそこも!片道4時間かな…
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プロフィール
HN:
kazu
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1971/09/08
職業:
パラグライダー
趣味:
たそがれ、物想い、静寂、心穏やか、不安、楽しむ
自己紹介:
Kazu
Japan spirits and pride
Professional tandem / Adventure pilot

世界最高峰のヒマラヤ、神の国ネパールで生きていく為に始めた空飛ぶ道具パラグライダーでコマーシャルタンデムをやっています。夢は神の山マチャプチュレへの冒険フライトに挑戦すること。
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