その人が何処から来たかなど、どうでもいいではないか。 どんな地位にあるか、どんな功績があったのか、どんな血筋を引いているのか、など全くどうでもいいではないか。 ただ、その人の行いを見よ。 今ここに於いて、何をするのかを見よ。 行いが正しく、羞恥があり、身と心を慎んでいるのであれば、その人は生まれがどうあれ、今から高貴な人ではないか。
2024/11/15 (Fri)
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2014/04/21 (Mon)
今 テイクオフについて考える。
アメリカのお客さん。
今日2本目は危ないテイクオフだった。
1月のアクシデント以降、毎回ジープでサランコットに上がる道中に意識することを決めている。
① いつでも止まれるテイクオフ!
② 高さをもってのランディング!
何本も毎日、毎日、毎日 飛んでいると、多くの事を意識することは出来なくなってくる。
しかしこの2つだけなら、いつでも意識することは可能だし、この2つを守れば事故はまず起こらない。
いつでも止まれるテイクオフ..... でも実際は止まりたくても止まれないタイミングがある。それはグライダーが飛ぼうと加速しかけた段階で、それを止めようとすることは難しい。
1人で飛ぶソロフライトなら、それ以前に止められるし、加速する段階では前に進むだけで、何の問題も起きない。
お客さんと飛ぶタンデムでは、空中、ランディングはパイロットが全てコントロール出来ても、テイクオフだけは2人3客の作業になるので、加速しようとするそのタイミングでお客さんが座る、しゃがみ込む、バックする(後ずさり)..... 風の無い、弱い状況でそれをされると、一番危険な状態になる。
止まれないタイミングでは、グライダーは加速しようとしているのだから、引きずられながらもグライダーをコントロールしてテイクオフしてしまうしかない。
それを無理やり止めようとしてしまうと、失速して下に落ちてしまうこともある。
それが分かっているので、テイクオフ前にパイロットは口すっぱくお客さんに「座らないでください!」と言い、実際 練習もするのだが.... 1割のお客さんは座ってしまう。
しかしそれは分かっていることなので、なるべくいい風の時に出る(風がいいと座られても何とか対応できる)、恐怖心が見える、太っているなど、危険な感じのお客さんにはサポートを付けてテイクオフします。
でもそれは全てパイロットが判断できることで、無理ならばキャンセルすればいい。
ここでのキャンセルはお客さんの責任なので、パイロットと会社は普通にお客さんからお金を頂きます。
危険ならテイクオフしない! テイクオフしなければ何も起きない!
これは判断するという技術です。
今日のお客さんはインド人で、練習の段階では問題なかったが、恐怖心が見えたので、サポートを付けるのが正解だったが、付けなかったこちら側のミス。
そしてタンデムパイロットのテイクオフ技術のミスとして、自分主導でテイクオフしようとした点がある。
ソロパイロットには分からないだろうが、タンデムのテイクオフはお客さん主導でテイクオフしなければならない。
まずはお客さんに走ってもらい、その力加減を感じてパイロットは対応する。
力の弱いお客さんならば、パイロットはその分の力を加えなければいけないし、力の強いお客さんならば、パイロットはその分の力を抜かなければならない。無論 風の強さも感じて。そうやってグライダーを立ち上げていく。
今日だけではなく、最近は自分主導のテイクオフになってしまっている事にこれで気付いた。
今日も前になかなか進まないお客さんを自分が押し出すように進み、グライダーが前に進もうとした瞬間に彼女はブレーキをかけながら後ずさりし、座り込み、風も弱く、最後は引きずりながらのテイクオフ......
彼女主導のテイクオフならば、テイクオフは出来ていない。それが正解だった。
同じ経験は以前に1度ある。その時自分はテイクオフでやるべき事はお客さんの責任..... と書いたが、今はそうは思わない。
今思えばあの時も、お客さんを後ろから押していく、自分主導のテイクオフをしていた。
全てはパイロットの技術!
技術とは上手い、下手ではない。そこへの意識と判断だ!
お客さん主導のテイクオフは、お客さんが行こう!としていくところに自分が力加減を調整して一緒に付いて行く感じであり、お客さんが途中で座れば、自分もそこで止まる事が出来る懐がある。言わば守りのスタイル。
自分主導のテイクオフをすれば、自分が行こう!としている瞬間にお客さんが座ると、そこに自分で対応できる懐がなくなり、それが止まることを出来なくする。これは攻めのスタイルになり、何かが起こる可能性がある。
タンデムは安全第一の守りのスタイルであるべきだ。
お客さん主導のテイクオフをすれば、その行動で全てが分かり、いつでも止まれるタイミングに判断できるテイクオフが出来る!
これはタンデム テイクオフの極意ではないか!?
かすり傷ひとつ無くテイクオフできたのは幸運でした。
仕事として飛んでいるプロなので、そこは責任と自覚と意識を持って、明日からも飛んでいきます。
<見極め>
どんな世界であっても100%事故を無くすことは不可能です。それは全てが変化し続けている中に私達はいるからです。
仏教では「無常」と説きますが、物事は常に因果関係の中で移り変わり続けています。
花が枯れるのも、建物が朽ち果てていくのも、事故が起こるのも、怪我をするのも、病気になるのも、死ぬのも、そして全てが改善し、病気、怪我が治っていくのも、全ては移り変わり続けているからなのです。
どんな分野においても事故はいつか必ず起きます。
大切なのはその原因を探り、反省しそこに立ち止まるのではなく、次に生かすこと!
物事は不完全である事を知ること。
そして自分の心の内を見つめること。
仏教での「無我」は自己顕示欲=「自我」利己的な対極にあり、問題を客観的に見極め、解決していく心の在り様です。
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プロフィール
HN:
kazu
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1971/09/08
職業:
パラグライダー
趣味:
たそがれ、物想い、静寂、心穏やか、不安、楽しむ
自己紹介:
Kazu
Japan spirits and pride
Professional tandem / Adventure pilot
世界最高峰のヒマラヤ、神の国ネパールで生きていく為に始めた空飛ぶ道具パラグライダーでコマーシャルタンデムをやっています。夢は神の山マチャプチュレへの冒険フライトに挑戦すること。
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