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その人が何処から来たかなど、どうでもいいではないか。 どんな地位にあるか、どんな功績があったのか、どんな血筋を引いているのか、など全くどうでもいいではないか。 ただ、その人の行いを見よ。 今ここに於いて、何をするのかを見よ。 行いが正しく、羞恥があり、身と心を慎んでいるのであれば、その人は生まれがどうあれ、今から高貴な人ではないか。

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2014/05/28 (Wed)
「覚り」
インターネットで上ラダックの旅の模様を送ろうとしたが、3度も途中でフリーズし、1時間も費やしたが、結局 諦めた。

I phone がフリーズするのは初めてであり、3度も続けてもう少しで終わる… その直前でのフリーズ。

原因は標高が高く、気圧が低いから、写真が増えるとI phone が動かなくなる? だと思う。


しかしこの件がきっかけで、「覚り」に至った。


朝2時間のメディテーションを終え、心穏やかに向かったインターネットで、3度のフリーズで人の心とは別ものに変わってしまう…

1度、2度目はまだ自分の心を納める事は出来た。きっとI phone画面に貼ったフイルムが古くなり、汚れているのが原因だろう… そう考え、フイルムを剥がして3度目やり直した。

しかしそれでもフリーズし、自分の中に苛立ちが現れ始めた…

客観的に自分は見えてはいる。しかし一度 現れた苛立ちは、納めようとしても心はなかなか平常には戻らない。


しかしこの件で、全てのからくりが見えて来た。


仏教では少欲知足を説きます。

仏道は小欲の人のものであり、多欲の人のものではない。

仏道は足りることを知る人のものであり、不満な人のものではない。


また仏教は「捨てる道」を教えます。

「得る道」は、依存を増幅する道であり、「捨てる道」は自由を獲得する道であると。


何かを得る道ではなく、ものから離れていく道。

足りないから満たそうとするのではなく、ものがいらないということで、心を満たす道がある。


もしインターネットがなければ、この件の苛立ちは生まれなかった。

もし車がなければ、スピード違反や駐車違反での苛立ちが生まれる事もない。

テレビがなければ、途中で終わってしまう野球中継への苛立ちや、見逃してしまった番組への苛立ちも生まれない。

もし電気がなければ、停電への苛立ちも生まれなければ、政府への不満も生まれない。


ものがあるから、そこから苛立ちが生まれる。

苛立ち、怒りは、それがはけ口となり、関係のない事にまで、その炎は飛び火していく。

一度 怒りが生まれると、慈悲の心は完全になくなり、周りを見渡す余裕すらなくなってしまう。


何故 仏教はものへの依存を嫌うかと言うと、ものに頼って生きる事で、そのものの多さに比例して、苛立ちや怒りが生じるからだ。

そして慈悲の心が消えたなら、人はより自我が生まれ、世界は狭くなり、それはより苦しみの世界で生きていく事になる。


町を行き交う人々を見ていて思う事は、人が多ければ多い程、人には自我が芽生える… と言うこと。

これは本能的な自己防衛だろうが、村では気軽に挨拶出来ても、町では出来なくなる。

都会になればなるほど、殺伐とした雰囲気があるのは世界共通。

これは人間の自我、これが本能的に自己防衛する為に生まれるからだろう。


仏陀の解いた「無我」は、人里離れたような場所では、理解し易く、難しい事ではない。

それは町と村での対人関係を見れば、容易に分かる。

人々が助け合う村と、個人 個人がバラバラな町。

無我 = 慈悲 は村にあって、町にはない。


ならば多くの人々が暮らす都会では、何が大切なのか?


それは「気付く」と言うこと。

自分の心のからくりに気付く!

その為には、人は客観的でなくてはならない。

自分中心の自我の世界。その狭い世界にいては、それに「気付く」ことは出来ない。


インターネットや電気機器がどういう物か? 気付いている!ということ。

車に乗る事がどういう事なのか?

テレビというものが、どういう物なのか?

電気があるということが、どういう事なのか?

気付いている!という事。


そしてラダックの旅 最後で、自分の中の核になる「覚り」に出逢えた。


人は生きている以上、どんなに心を納めようとしても、しなくても、何かに対する憤り、苛立ち、怒り、が芽生えてしまう。それほどまでに心の動きは早い。

仏陀が「怒りは大敵」である事を覚ったのも、彼が人間だからであり、その感情に苦しんだから。

2012シーズン。ネパールで働き始めて何度となく現れた怒り。

その怒りに苦しみ、自分が嫌になったあの経験が、今シーズンの「覚り」、仏陀への教えへと繋がった。


そして今 思うに、怒りを納めようとしても、それは難しい事であり、大切なのは「今、ここ」の感情(自分自身)に「気付く」こと。そしてその原因を知ること。

自分を観るということ。

そこに集約される。


「すべては変わり続け、過ぎ去り、移ろいゆく」


これからの人生の核となる、ひとつの「覚り」が生まれた。

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プロフィール
HN:
kazu
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1971/09/08
職業:
パラグライダー
趣味:
たそがれ、物想い、静寂、心穏やか、不安、楽しむ
自己紹介:
Kazu
Japan spirits and pride
Professional tandem / Adventure pilot

世界最高峰のヒマラヤ、神の国ネパールで生きていく為に始めた空飛ぶ道具パラグライダーでコマーシャルタンデムをやっています。夢は神の山マチャプチュレへの冒険フライトに挑戦すること。
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